設立趣意書
19世紀半ばから20世紀の初頭にかけ、日本は、製鉄・製鋼、造船、石炭産業を基盤として、非西洋諸国では初めて、急速な産業化を成し遂げましたが、その道程を時系列に沿って証言している遺産群である「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が、2015年7月にドイツ・ボンで開催された第39回ユネスコ世界遺産委員会において、世界遺産に登録されました。
本世界遺産は、8県(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、山口県、岩手県、静岡県)11市(北九州市、大牟田市、中間市、佐賀市、長崎市、荒尾市、宇城市、鹿児島市、萩市、釜石市、伊豆の国市)に立地する23の資産で構成されており、これら23の資産全体で一つの世界遺産価値を有しているものであります。
このため、「明治日本の産業革命遺産」に携わるすべての関係者が、資産全体の顕著な普遍的価値がどのようなものか、また、各構成資産が全体の資産価値にどのように貢献しているのかを正しく理解し、来訪者等に伝えていく必要があります。
その一環として、楽しみ、かつ学びながら周遊できるよう、「明治日本の産業革命遺産世界遺産ルート」(以下「世界遺産ルート」という。)を展開することとされています。「世界遺産ルート」では、各構成資産をつなぐルートを設定し、空港、港、鉄道駅、道の駅、高速道路SA・PA、商工会議所、観光協会等の様々な交通拠点等から構成資産やその駐車場、ビジターセンター等へ導くとともに、それらの交通拠点等における案内や情報提供、統一的な道路案内標識の整備、カーナビ、情報提供アプリとの連動、その他プロモーション等に取り組むこととされています。
こうした世界遺産ルートの推進を図るため、我々、担い手となる民間企業や団体、地方公共団体等が連携し、情報共有するための場として、「明治日本の産業革命遺産世界遺産ルート推進協議会」(以下「世界遺産ルート推進協議会」という。)を設立するものであります。
今後、世界遺産ルート推進協議会会員それぞれの立場から、構成資産全体での世界遺産価値の共有、普及を図っていくとともに、観光振興をはじめとする地域経済の活性化、地方創生に資する取り組みを進めていくものであります。
- 平成28年6月
- 明治日本の産業革命遺産世界遺産ルート推進協議会発起人一同
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明治日本の産業革命遺産世界遺産ルート推進協議会発起人一同
- 石原 進
- 加藤 康子
- 島津 公保
- 橋田 紘一
- 安富 正文
- 保田 博