「明治日本の産業革命遺産世界遺産ルート推進協議会」令和5年度総会を開催
2023年10月12日(木)、弊財団の関連団体である「明治日本の産業革命遺産世界遺産ルート推進協議会」(以下、協議会)の令和5年度総会が開催されました。コロナ禍を経て2年ぶりの開催となりましたが、中央省庁、地方自治体、観光・交通機関の関連企業等から約90名の方々が出席され、会場内は活気に包まれました。
総会には、協議会会長で弊財団理事の石原進をはじめ、加藤康子専務理事、島津公保理事、橋田紘一理事が出席し、来賓には藤田耕三氏(独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構理事長)、市川篤志氏(内閣官房産業遺産の世界遺産登録推進室長)を迎えました。
開会にあたり石原理事は総会出席への御礼と協議会の役割について語り、2025年には「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産登録10周年を迎えることに触れ、列席の方々に協力を仰ぎました。
来賓代表として登壇された内閣官房・市川室長は、今年9月にサウジアラビアで開催された世界遺産委員会での決議に触れて協議会の活動を評価。「我々政府としては協議会の取り組みと連携しながら、この遺産を次世代に継承すべく努力してまいります」と語りました。
続く活動報告では、「明治日本の産業革命遺産」世界遺産協議会事務局の和泉光広氏(鹿児島県観光・文化スポーツ部文化振興課世界文化遺産室長)、弊財団でアクセスガイドマップ(以下、マップ)の制作を担当する小川祐貴と五石有以子、モニターツアーを担当した古関孝子と実際に参加した釜石エリア担当ガイドの菅原真子さんの3組が登壇しました。
最後に、加藤専務理事が登壇し、「観光客が各エリアに戻り、『明治日本の産業革命遺産』を訪れていただいているのは非常に有難いこと」と現状を語りました。
また、9月に開催された世界遺産委員会においては、「インタープリテーション(展示解説)の課題について、大きな山を越えることができた」とし、朝鮮半島出身者いわゆる「徴用工」を含む展示については、その取り組みを評価する決議が審議なしで採択されたと報告がありました。加藤専務理事は「まさに『天の時、地の利、人の和』、チームワークで乗り越えることができた」と語り謝意を述べました。
さらに、マップとガイドアプリについても触れ、2年後の世界遺産登録10周年に向けて、外国人観光客も「マップとアプリさえあれば自由に旅ができ、『明治日本の産業革命遺産』を理解できるという形にまで持っていきたい」と力強く未来を語りました。
そして、「我々は、8県11市23の構成資産でひとつの世界遺産価値を有している。世界遺産ルートを作り、できる限り多くの遺産を訪れることによって、世界遺産価値の全体像を理解していただく。これからもこの取り組みは、どんどん進めていきたい」と展望を語りました。
最後に、「情報センターもリニューアルした。ぜひ一次史料満載の展示を見に来ていただきたい。これからも皆さまと一致団結しながら、更によいものを作っていきたいと思うので、ご協力ご指導をよろしくお願い申し上げます」と締めくくり、令和5年度の総会も盛況のうちに閉会となりました。