「百年料亭」は 『建物及び周辺施設等が百年以上の歴史』を持ち、 更に今も営業を行っている料亭と定義されています。
九州は、日本の主要な島々のなかで最南西に位置します。その九州の北部、北九州市若松区の中心街の閑静な一角に料亭金鍋はあります。日本の「百年料亭」のひとつで、九州で初めて牛鍋を供した料亭です。
100年以上前、1895年(明治28年)頃に創業した料亭金鍋は、羽振りの良い石炭産業従事者や、近くの小倉城に駐屯していた歩兵連隊の間で人気を博しました。その当時の若松は、筑豊炭田で産出される石炭の積出し港として発展を遂げていました。当時は石炭はすなわちお金を意味していました。街を歩くと、繁栄を謳歌していた時代の名残を今もあちらこちらで目にすることができます。2004年、料亭金鍋の建物は、国登録文化財に指定されました。
伝統的な木造の表門に近づくと、着物姿の素敵な女将さんと女性スタッフの方々が出迎えて下さいます。お出迎えを受けて明治の古風な建造物を見上げると、どんなお食事が待っているのかと想像力が搔き立てられます。玄関に入って靴を脱ぎ、まがりくねった廊下を進んで二階に上がると、広い畳敷きの部屋へ案内され、きれいに整列された畳の上の長い木製のテーブルに着席します。
料亭金鍋は、文化と伝統を大切にし、地元の魚介類や季節に応じた旬の新鮮な食材を生かした料理を提供しています。きめ細やかに作られた刺身から付け合わせまで、目の前に置かれた料理の全てを一目見ただけで、金鍋には一流の料理人がいらっしゃることがわかります。
ランチの懐石料理(伝統的な日本のコース料理)をかなりリーズナブルな料金でいただきました。お昼の懐石の料金は、4,000円程度(税・サービス料別)です。近郊の港で水揚げされた新鮮な魚介類や地元で収穫された野菜を用いた素晴らしい料理を何品も美味しくいただき、日本伝統の味を満喫しました。
北九州へ行かれる際は、ぜひ若松区の料亭金鍋にも足を運び、日本の伝統的な食文化を体験してみて下さい。最高のお食事とサービスの料亭金鍋へ行けば、北九州の旅が一層特別なものとなりますよ。
博多駅からは、新幹線とJR在来線で約1時間。ジャパン・レール・パスを持っていれば理想的です。広島駅からの場合は、新幹線で1時間半強。自動車を利用して移動する場合は、博多駅または福岡空港から1時間強です。