福岡県の最南端、西は有明海に面し、北東は三池山を臨むところに、大牟田市はあります。エリアとしては広くはありませんが、見どころや体験できることがたくさんあり、一訪の価値があります。
(Photo of by @ n.chuusan0914)
おおむた『大蛇山』まつりは、大牟田市を代表する夏のイベントです。7月の第4土曜日と日曜日に行われ、毎年30,000人以上が参加しています。
祭りの起源は、大蛇山が生まれた350年以上前に遡ると考えられています。言い伝えによると、水神信仰の水の神(蛇や龍が象徴)と祇園信仰(農業と悪病よけ)とが絡み合い、伝説の大蛇山が生まれたとされています。
祭りの間、大蛇を模した山車「大蛇山」に人が乗り、太鼓や鐘を打ち鳴らしながら、町中を練り歩きます。長さ10メートル強、重さが約3トンにもなる「大蛇山」には、山車に和紙や竹を組み合わせて作った大蛇の頭・胴体・しっぽが飾り付けられています。その大蛇は、200人以上に及ぶ「大蛇山」の引き手に生命を吹き込まれ、頭を動かしたり、かっと目を見開いたり、裂けるように開いた口から(手持ち花火によって)火や煙を吹いたりします。
(photo by: @mie.38_k)
祭りの他のハイライトとしては、花火大会や港祭り、一万人の総踊りがあげられます。一万人の総踊りでは、10,000人以上もの人々が「大蛇山ばやし」や「炭坑節」の曲に合わせ、約2 kmにわたり列をなして踊りを繰り広げます。このイベント中のイベントをお見逃しなく!
(Photo of by @ n.chuusan0914)
大牟田市からそれほど遠くないところに、三加和温泉、平山温泉、山鹿温泉などの有名な温泉があります。これらの温泉は、長い旅の一日の終わりに、疲れた筋肉をほぐしてくれることでしょう。歴史通なら、370年の歴史がある山鹿温泉のさくら湯を忘れずに訪ねましょう。木造の建物で、当初は藩主や幕府の役人しか利用できませんでしたが、現在は一般に開放されています。同施設は、江戸期の建築様式を今も留めています。
(photo of Hirayama Onsen by @djosamum)
日本は春の桜で有名ですが、他にも見るべき美しい花々が沢山あります。大牟田市周辺では、四季を通して、様々な素晴らしい植物を目にすることができます。
こじんまりした都市ですが、大牟田市には、美味しい食べ物が沢山あります。
世界文化遺産への旅は、大牟田市石炭産業科学館から始まります。石炭産業科学館科学館では、日本の近代の急速な産業化を象徴する「明治日本の産業革命遺産、製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」について学べます。是非とも訪れるべき世界遺産としては、宮原坑、専用鉄道敷跡、万田坑、三池港があげられます。
(photo by: @hideki_tsukahara)
宮原坑と万田坑の両方で見られるのは、赤煉瓦が美しい明治の産業用建造物と、その横に立ち並ぶ金属製の機械群です。どちらの場所にも当時の機械類が残されており、鋼鉄製の櫓が高くそびえる竪坑も残っています(写真上)。1900年代はじめ、宮原坑は、世界でも最新鋭の強力なポンプ設備を誇っていました。
石炭の生産・流通は、のどかだった日本の田園風景を、近代的な景色へと一変させましたが、石炭の大量流通には鉄道と電力が必要でした。三池炭鉱専用鉄道は坑口と三池港とを結び、大量の石炭を迅速かつ安定的に輸送し石炭流通を支えました。 (photo by @kyushu.ambassador)
宮原坑と同様、万田坑も、美しい赤煉瓦づくりの建物が人目を惹きます。1910年、万田坑では、英国から輸入した蒸気ポンプや巻揚機、通気用機器が稼働、当時の最高の技術が集結していました。
(photo by @kumamoto_to_the_world)
三池港は、最先端の電化された港として、また、三池炭鉱から産出される石炭の積出港として建設されました。長い防砂堤を組み合わせた「ハミングバード(ハチドリ)」型の設計により、水深の浅い有明海の砂泥が航路に流入しないように工夫されています。大きな外港と内港を特徴とし、水圧式閘門によって内港の水位が保たれるため、大型船の入港が可能で、干潮満潮にかかわらず機械で石炭の積込ができました。
(photo by @omutaboy1961 )
このように、大牟田市には、見どころと体験できることが盛りだくさん。絶対に見逃したくない街ですね。